世界には日本では考えられない様な文化や風習が存在します。中には「信じられない!」と目を塞ぎたくなる様なものもしばしば…
今回はそんな世界の風習特集をお届けしたいと思います!
1.纏足(てんそく)
纏足とは、幼児期の女子の足に布を巻いて、足が成長して大きくならないようにするという、昔中国で行われていた風習です。
纏足文化ができた理由は、小さい足の女性の方が美しいと考えられたためであり、小さく美しく作られた靴を纏足の女性に履かせ、その美しさや歩き方などの仕草を楽しんだとのことです。
まぁ大きな足の女性より、小さな足の女性の方が魅力的?女性的?なのでしょうか…
なにもそこまでやらなくても!と現在では思いますが、当時の文化は違っていたのですね。
↓↓↓左は纏足で変形した足。右は通常の足↓↓↓
2.即身仏(そくしんぶつ)
即身仏とは密教系の日本仏教の一部で、僧侶が土中の穴などに入って瞑想状態のまま絶命してミイラとなるもので、仏教の修行の中でも最も過酷なものとして知られています。
即身仏になる風習が生まれた背景には、仏教の入定(にゅうじょう)という観念が基になっており本来は悟りを開くことですが、死を死ではなく永遠の生命を獲得とする考えであり、入定した者はその肉体も永遠に残るとされました。
実際にその体はミイラ化してお寺に祀られ現在も残っています。日本においては主に山形県の庄内地方などで多く行われ、現在も寺で即身仏として公開され拝められています。
即身仏になる行(ぎょう)としては、まず木の皮や木の実だけを食べて命をつなぎ、経を読んで瞑想をしながら、まず最も腐敗の原因となる脂肪を燃焼させ、次に筋肉が糖として消費され、皮下脂肪が落ちていき水分も少なくなっていきます。
生きている間にミイラの状態に体を近づけるという事です。
また、生きたまま箱に入りそれを土中に埋めさせ読経しながら入定した例もあり、この場合節をぬいた竹で箱と地上を繋いで空気を確保し、行者は読経をしながら鈴を鳴らし、その鈴が鳴らなくなった時が入定の時とされました。
行者は箱に入る前に漆の茶を飲み嘔吐することによって体の水分を少なくしていたといわれ、漆の茶にはまた腐敗の原因である体内の細菌の活動を抑える効果もあったとのことです。
これらの行は、死を前提にするため当然大変な苦行であり、途中で断念した僧もいたとのことです。
さらに日本の気候は温暖で湿気が多いため、例え入定したとしても腐敗して即身仏(ミイラ化)にならなかったものも多いとのことです。
通常は死後の体を加工してミイラ化しますが、即身仏の凄い所は自分の意志で生きたまま苦行をしながら入定してミイラになることです。
これまで18人の僧が即身仏となったという記録が残っています。
↓↓↓即身仏の画像↓↓↓
3.ハジチ(針突き入れ墨)
ハジチ(針突き入れ墨)とは、かつて琉球諸島の女性の手に施した入れ墨のことであり、一人前の女になったことを示す成人儀礼の一つだとされていました。
すなわち成女儀礼・結婚のしるし・魔除けの呪符・他界観・さらに集団的アイデンティティーなどと言われています。
実際には明治のはじめ頃までは、7歳頃に最初のハジチを入れ、本格的な文様を入れたハジチは16歳に開始し、婚約直前に完成することになっていたそうです。
何故ハジチが始まったのかという話として、薩摩の侵攻以後、沖縄女性が薩摩に連れて行かれるのを防ぐためにハジチをするとか、入れ墨をした手が遭難しかけた船をささえたために難を逃れたという故事に由来してハジチの風習が生まれたという伝承があります。
またハジチをしないとあの世で浮かばれないという歌もあり、そのために幼くして亡くなった子供の手にも墨で文様を書いたという話も伝わっています。
このハジチを施すハジチセーク(針突き職人、ハジチャーとも)と呼ばれる専門の女性が居て、各地を廻り「首里那覇では今、菱形模様が流行っている」などと、情報を提供してハジチ商売をしていたようです。
島ごとに模様が決まっていたんですね!
ハジチをする時は泡盛で墨をすり、それを手の甲に模様を描いてから針に墨をつけ、上から縫い針を束ねて突いていき、針で突く痛みをこらえるために、大豆を煎って黒砂糖でまぶしたものを食べて我慢していたようです。
1回のハジチにおよそ3~4時間ほど要し、その夜から3、4日ほどは熱が出て腫(は)れあがり、ずきずきと痛んだそうです。
このような風習も、1899年に出された明治政府の禁止令によって表向きはなくなったとされていますが、禁止令の出された以降も、取り締まりの眼をかすめてハジチをする者がいたようです。
4.鳥葬(ちょうそう)
鳥葬とはチベット仏教や、インドのゾロアスター教徒が行う葬儀の事で、簡単に言うと故人の体を鳥に食べさせるというかたちの葬儀の事です。
チベットの鳥葬は1500年頃から始まったと考えられ現在でも続いています。
チベットの葬儀には塔葬・火葬・鳥葬・水葬・土葬の5種類があるとされ、全てが鳥葬で行われるわけではないですが、チベット高地に住むチベット人にとって鳥葬は最も一般的な葬儀の方法となっています。
チベット人にとっては死後の魂が解放された後の肉体は抜け殻に過ぎず、その死体を郊外の荒地に設置された鳥葬台に運び、ハゲワシなどの鳥類に食べさせ、宗教上として魂の抜け出た遺体を「天へと送り届ける」ための方法として実施され、鳥に食べさせるのはその手段として行われるとされています。
日本とは違う死生観について深く考えさせられますね。
5.首長族
東南アジア山間部、チェンマイから車で小一時間ほど走った場所に首長族の部落があります。
首長族の女性は 5歳ぐらいから首輪をつけ始め、少しずつ長い首輪に変えていきます。
この首輪は1本の真鍮でできたコイル状の輪で出来ており、重さは 5〜6Kgもありかなり重いそうです。
バネ状の輪の伸びようとする力が首と鎖骨の間にかかり、首輪自体の重さにより、鎖骨が押され肩が下に落ち込んでいき、肩が落ちることにより首が長くなったように見えます。この輪は首だけではなく、腕や足にも巻かれています。
この首輪をした理由は、以下などと言われています。
*昔、虎が村を襲い女性ばかりが喉を噛み切られために、首を保護するため
*異様な体型となる事で、他の部族から略奪されたり襲われない様にするため
*女性美の追求
6.唇に皿
エチオピア南部に住むムルシ族の女性は、唇に穴を開けそこに皿の様な器を嵌め込んでいます。
ここの部族で唇に穴を空けているのは全て女性で、男性は穴を空けていません。
何故ここの女性たちはこのように唇に大きな穴を空けて皿を入れるようになったのでしょうか?
その理由は昔奴隷貿易が盛んだった時代に美しい女性はみな奴隷として連れて行かれました。そこで彼女らは自らの唇に穴を空け醜い姿にする事で奴隷として選ばれる事を避けるようになったそうです。
なんとも悲しい過酷な時代背景があったのですね。
それ以降、彼女達は唇に穴を空けて皿を入れるというのが慣習となり今でも続いているとの事です。
お皿は16歳前後で入れ始め、成長と共に徐々に大きな皿にしていき、そのお皿の大きさが大きければ大きいほど美しい女性とされ、結婚の時に持参金としての牛の数も多くなるとの事です。
現在はエチオピア政府がこの慣習を禁止しているおり、今後徐々に無くなっていくと言われています。
同じ地球上で今もなおこのような人々がいるという事に本当に驚くばかりですね!
7.ワニ状の皮膚
パプアニューギニアのジャングルのセピック川流域に生活している「セピック族」は、独特の文化を持っていて、成人を迎えた男子はある儀式を通過しなくてはなりません。
その儀式とは体に入り組んだパターンの模様を彫ることです。
まず手順としてカミソリで皮膚を模様にあわせて削ぎ取り、次に皮膚をそぎ取った傷口に特殊な樹液を塗り、傷口を膨らませます。
なぜこのような痛い思いをしてこの儀式を行うのでしょうか?
彼らは自分たちの祖先は「ワニ」だと信じており、成人するためにはこの儀式を通過することで、セピック族の先祖の精神や魂が本人に宿るという理由によるようです。
8.バヌアツのバンジージャンプ
南太平洋にあるバヌアツ共和国の世界でも珍しい驚くべき「ナゴール」と呼ばれる儀式では、成人男性と認められるにはとても危険なジャンプをしなければなりません。
背の高い木に20~30メートルのやぐらを組みその頂点に立って、足首につるを結び付け、そのやぐらのてっぺんから地面に向かって一気にジャンプします。
この足首に巻き付けるツルはゴムのように伸びることも無く、落下の衝撃が全て足首にかかり、まさに「命がけ」の儀式です。
この儀式は自分の力の強さを示す以外にも、部族の豊作を祈願する儀式としても行われています。そしてこれが現在のバンジージャンプの原点となったと言われています。
「ナゴール」儀式の映像
まとめ
いかがでしたか?
世界には私たちの計り知れない「奇習」や怖い「風習」があるのですね。
その背景には文化や価値観の違いと一言では言えないような、人間が生きていくためのその裏に潜む何か神秘的な人間の業(ゴウ)の様なものを感じますね。