ミャンマーは日本企業が世界に進出している国の中で、ここ5年での伸び率が1位となっている国です。
2011年時点での現地法人数はわずか11社だったのが、2016年時点では105社となり、増加率はなんと855%で10倍近い勢いで増えています。
この背景にはミャンマーが長いこと軍事政権が続き政情が不安で、ビジネスの進出にはリスクが大きすぎた点にありましたが、2010年11月には新憲法に基づく総選挙が実施され、国旗が新しくデザインされ、民主化への大きなうねりが波となって動き出しました。
それに伴い他のアジアの国に較べ社会システムやインフラの整備が遅れているミャンマーに対して「アジアのラスト・フロンティア」などと位置づけ、多くの企業が目を向けビジネスチャンスを見出した結果だとされています。
今回は、そんなミャンマーに進出している日本人はどのような仕事をして、どの様な所で働いているのかをご紹介します。
1. 日系の不動産会社
日本人が経営するヤンゴンの不動産会社で働き、日本人のお客様への賃貸物件案内と契約関連の仕事をしている人が多いです。
ミャンマーでの不動産事情は日本とは全く違い、説明するのも苦労する面が多々あるようです。ミャンマーは昨今の不動産ブームですが、まだまだ売り物件が不足しており、日本人駐在員が住むために案内した高級コンドミニアムの1LDKの物件でも40万円位しており、家賃も1年分を1括前払いなので、暮らし始める人にとっては大きな負担となるとのことです。
また「家具付き物件」の「家具」に関しても、明確な記述がない場合がほとんどです。
日本では当たり前の、シャワー用温水器、網戸、換気扇はこちらでは無いのが当たり前なので、「家具」一つひとつを自分の目で確かめて契約する必要があります。
さらにそれらが正常に稼働するか確認する必要もあり、頻繁に停電も起こるのでジェネレーターの有無と作動確認も必要です。
兎に角日本の不動産事情と大きく違い、戸惑うことが多いというのが不動産関連で働いている人達の感想です。
2. 人材紹介の会社
ミャンマーで人材会社を立ち上げ、働いている人もおり、その会社の規模は現在スタッフ約10名で、日本人が2名であとは現地採用のスタッフです。
ミャンマーでは特にサービス業は市場が未成熟なため、良いサービスを提供することにより、会社の規模が大きくなく進出歴が浅くても、現地企業から信頼され人材を依頼されるケースも多くチャンスも十分あるとのことです。
「現在の体制になって1年を経過しそれなりの苦労はありますが、弊社が立ち上げたFaceboo
は既に約40万以上「いいね!」を投稿されるほど認知され、これから事業規模・領域共に拡大する段階で大きなサポート力となっています」と日本人スタッフは語っています。
3. 移住サポート
移住サポートとして働いている人もいます。
「日本にいた時に役所で人口拡大と移住定住促進を担当し、退職して東南アジア各地を巡り、ミャンマーで移住サポートやヤンゴン情報に関する相談に応じています。
サポート開始してから多くの人がミャンマー移住を決断しました!」 と語ってくれました。
4. 日系企業へのサポート
ミャンマーへの
1 日系企業の進出支援
2 日系企業へのミャンマー人材紹介
3 日本からのメディア取材のコーディネートなど
現地の事情を良く知っており日本とミヤンマーとの間にたって潤滑油的な仲介サポーターとして働いている人もいます。
5. 不動産開発プランナー
学生時代に訪れたミャンマーに惹かれ、大学卒業後東京のデベロッパーで働いていた経験をもとにその知識を生かして「ミャンマーでデベロッパーで働くこと」を念願にミャンマニー移住し、不動産開発プランナーとして現地の複合企業に就職している女性もいます。
「先進国と途上国とでは、開発の環境、アプローチなどにも大きな違いがありますが、作る目的は同じで、どこの国でもオフィスで働くし、住む住宅や公共施設も必要です。
また環境問題、交通、文化保護や景観保全など、重複する課題も多くあります。
そんな時に日本でのデベロッパーの経験をミャンマーで生かしたいと考えました」
と話してくれました。
6. アクセサリー製造及び販売
ミャンマーにおける現地原石を基調としたアクセサリー製造及び販売の仕事をしており、原石を求めてミャンマー奥地に探しに行ったり、海に潜って素材の真珠を取ったり、アクセサリー作りに情熱を傾けている女性もいます。
元々大の石好きで、それをベースにアクセサリーに作っていき、デザインと試作品の作成を行い、ミャンマー人スタッフが量産するアイテムを作るという自社工房システムを所有し運用しています。
7. クッキー店
現地でクッキーを焼いて売っている女性もいます。
日本風のお洒落な色合いのパッケージに包んで、バターの香りたっぷりのクッキーをお店に並べ、リピーターも多く口コミで噂が広がり結構買いに来てくれる人が多いとのことです。
8. 日本食レストラン・スタッフ
ミャンマーには、日本食レストランが30件近くあり、2件以外ヤンゴン市に集中しています。
中にはラーメンなど麺類を主体にしている店もありますが、殆どが寿司、天ぷら、とんかつなど日本料理全般を用意しています。オーナーも日本人、日本に長く住んでいたミャンマー人、中国人など様々でそこで働くワーホリの日本人スタッフも多いようです。
【まとめ】
ミャンマーでは日本の現地企業で働く日本人が数がもちろん一番多いですが、他の東南アジアの国によくある日本人が定番で働く日本人観光客用のお土産店がほとんど無いようで、定番の土産物店は出てきませんでした。
そしてその分、現地の企業にどっぷりつかってミヤンマーの国の為に、また日本との架け橋的な仕事をしている人が多いのが特徴になっています。
ミャンマーまだまだこれから発展する国なので、是非こういう日本の人達に頑張って貰いたいですね。