世界では1年を通して、色んなお祭りが各地で開催されています。誰もが知っている有名なものから、日本では絶対ありえないようなものまで様々です。
非日常感を味わえて、開放的になって楽しめるお祭りはいいですよね!日本での日常から離れて海外に旅に出たいけど、実際どこに行こうか、時期はいつ頃にしようか迷っていませんか?
そんな方のために今回は、是非体験してほしい世界のお祭りを、暦に沿って紹介していきたいと思います!
【1月】ウップ・ヘリー・アー(スコットランド)
ヨーロッパ最大の火祭りとも言われるこのお祭りは、スコットランド最北端に位置するラーウィックで開催されます。
ラーウィックの街があるシェットランド諸島は、1468年にスコットランドに吸収されるまで海の民族バイキングが統治しており、そのバイキング時代の遺産を記念して行われる火の祭典!
厳しい冬の終わりと待ちに待った新年と春の到来を祝うこの伝統的なお祭りは、およそ1000人もの島民がバイキングの格好をし、斧・盾・松明を持って街を行進します。
そして夜には「ロングボート」と呼ばれるドラゴンの頭が付いたバイキングの帆船に、全員が松明を投げ入れ巨大な船を燃やし、街が炎で熱く彩られます。
彼らは1年かけてこのお祭りに取り組んでおり、外界からの観光客は見物だけしか出来ませんが、それだけでも十分満足できる迫力のあるお祭りです!
■開催場所:シェットランド諸島のラーウィック(スコットランド)
■開催日:1月の最終火曜日
■観覧費用:なし
【2月】リオのカーニバル(ブラジル)
カーニバルと言えば、大半の方がこのブラジルのお祭りを思い浮かべるであろう、世界で最も有名なカーニバル!期間中はあちらこちらで人々が、サンバのリズムに合わせて踊ったり、お酒を飲んで騒いだりと、街中が熱気に包まれます。
最大の見所は「サンボドロモ」と呼ばれる、全長約700メートルの会場で開催されるサンバコンテスト!1チーム数千人から構成される参加者が、派手な衣装を身に纏って山車と共に踊り歩き、そのダンスや音楽・センスなどを競い合います。
入場にはチケットが必要ですが、午後9時に開始するパレードは朝まで続き、一晩中熱気溢れる会場の雰囲気を堪能出来ます。また本番の数日後には、上位入賞を果たしたチームだけが出場できる「チャンピオン・パレード」が開催されます。
こちらは特に、迫力満点でハイレベルなパフォーマンスを、観覧出来るのでオススメです!
■開催場所:リオデジャネイロ(ブラジル)
■開催期間:2月の土曜〜火曜の4日間(週は毎年変動)
■観覧費用:数千円〜数十万円(観覧日・観覧席による)
【3月】ホーリー祭(インド)
ヒンドゥー教の春祭りで、参加者全員が一つのアート作品かのようになる美しいインドのお祭り。
元々はインドにおける作物の収穫を終える時期に、収穫を祝う豊作祈願のお祭りでしたが、現在では色粉や色水を掛け合い悪魔を払って、神へ祈りを捧げるお祭りとして知られています。
お祭りは初日の日没から始まります。人々は焚き火をして悪霊を焼き、ヒンドゥー教にまつわる歌を掛け合いで歌いながら踊り、幸福を祈願します。
2日目の朝になるとヒンドゥー教徒はもちろん、それ以外の住民達も街に出てバケツや水風船・水鉄砲を手に、カラフルな粉や水を誰彼構わず掛け合います。
一歩街に出ると、色の洪水を避けることはできないので、いらない服で出かけるようにしましょう。そして最後には「ハッピー・ホーリー」と言いながら抱き合う、誰もが弾けられるお祭りです!
■開催場所:ヒンドゥー寺院のある所(インド)
■開催日:3月の満月に日(インド暦で11月の満月の日)
■参加費用:なし
【4月】ソンクラーン 水掛け祭り(タイ)
ソンクラーンとはタイにおける旧正月のことで、街にいる人全員が至る所で水をぶっ掛け合うお祭りです!
元々は仏像や年長者に水をかけお清めをして、新年を祝う伝統的な風習だったのですが、いつの日か単なる水の掛け合いに発展したため、現在では新年と言うよりも祭りという色彩が強くなりました。
お祭り期間の3日間は祝日となっておりますが、その前後の週末を合わせた1週間から10日の間は、あちらこちらで水の掛け合いが行われます。
道路沿いから行き交う車や人に水を掛ける子供達や、水鉄砲を手にした若者達、トラックの荷台にドラム缶を積んで街中を移動しながら水を掛ける大人達。
この期間中濡れずに過ごすことは、ほぼ不可能なので防水グッズは必須です。
また像の水しぶきがあったり、消防車まで参戦してくる世界最大級の水掛け祭りは楽しめること間違いなし!
■開催場所:タイ各地
■開催期間:4月13日〜4月15日の3日間(毎年)
■参加費用:なし
【5月】チーズ転がし祭り(イギリス)
イギリスの理想的な田舎として有名なコッツウォルズで、毎年開催されるチーズ転がし祭り!元々はブロックワークスの人々の為に行われてきたお祭りですが、今では世界中の人々が参加出来るようになっています。
丘の頂上から丸型のチーズを転がし、参加者達がそれを追いかけて丘を駆け下り、丘のふもとに引かれたゴールラインを最初に超えた人がチーズを獲得出来るという、非常にシンプルなお祭りです。
しかし丘の傾斜が激しく表面がでこぼこな為、毎年数名の怪我人が出ています。参加する方はもちろん、勢い余って観客の列に飛び込む参加者もいるので、観戦される方も注意は必要です。
それでも勇気を出して参加しても楽しいですし、坂道を加速度的に転がり落ちるチーズと、その後を追いかけて転がり落ちる人達を、見ているだけでも十分楽しめるお祭りです!
■開催場所:「コッツウォルズ」グロスター近郊のクーパーズヒル(イギリス)
■開催日:5月の最終月曜日
■参加費用:なし
【6月】インティ・ライミ(ペルー)
「インティ・ライミ」とは現地先住民のケチュア語で「太陽の祭り」を意味します。
南米三大祭の一つであるこのお祭りは、インカ帝国の宗教的儀式で、その年の収穫を感謝し翌年の豊作を願い、1年で最も昼が短い冬至の日に太陽の神インティに捧げるお祭りです。
お祭り当日はコリカンチャという太陽の神殿での、祭りの開始を宣言する儀式から始まり、続いてアルマス広場でパレードが行われます。
色鮮やかな民族衣装を纏った人々が、太鼓と笛の音に合わせ、飛び跳ねて踊る様子や、時折あげられる雄叫びなど、民族文化に触れられる目が離せないパレードです。
そして午後には、サクサイワマン遺跡に移動し、最後の盛り上がりポイントである生贄の儀式が行われて終了。年々規模が大きくなっている、古代インカ帝国にタイムスリップしたかのような感覚を味わえるお祭りです!
■開催場所:クスコ(ペルー)
■開催時期:6月24日(1週間以上前から前夜祭)
■観覧費用:なし(遺跡には有料席有り)
【7月】ポリョン・マッド・フェスティバル(韓国)
海と山に挟まれた泥の産地ポリョンで行われる、マッド(泥)を使ったお祭り。泥は豊富な天然ミネラルを含み、美容にも健康にも抜群の効果を発揮すると言われています。
全身泥まみれになって楽しんで、キレイにもなれるというこのお祭りは、美に情熱を注ぐ地元韓国人のみならず、観光客にも大人気!
10日間ほどのお祭り期間中、会場ではマッドマッサージやマッドスライダー、大型マッド風呂など、様々なイベントが行われます。
夜には花火やK-POPスターによる公演など、泥から離れた夏のイベントがある日もあって、週末は特に盛り上がりを見せます。楽しめるだけでなく、美肌の効果までついてくるので、女性の方にもオススメです!
また会場内には泥そのものや、泥石鹸・泥マッサージパウダーなども販売されているので、お土産に買って帰ってもいいですね!
■開催場所:ポリョンの海岸(韓国)
■開催時期:7月中旬(毎年変動)
■参加費用:1,000円前後(有料体験場の入場料)
【8月】トマティーナ(スペイン)
ご存知の方も多いであろうトマト祭り!トマトで祝うこの収穫祭には、世界中から街の人口の倍以上の人が集まり、互いに熟したトマトを投げ合います。
お祭りは前夜祭から始まり、街はイルミネーションで飾り付けられ、人々はお酒を飲みながら歌やダンスで盛り上がります。
そして当日の朝、最初に行われるのは「パロ・ハボン」という石鹸を塗り、滑りやすくした棒を立て、先端に付けられた生ハムを取り合うイベント!これが終わるまで、トマトを投げる事はタブーなのでご注意を。
役場の号砲を合図に「トマティーナ」が正式に始まると、トラックから大量のトマトが放り出され、小さな街はあっという間に真っ赤に染まり、1時間後に鳴る号砲を合図にトマト祭りは終了します。
たった1時間ですが、普段食べている物を遠慮なく投げ合うこのお祭りは、なかなか開放的になれますよ!
■開催場所:バレンシア州の街ブニョール(スペイン)
■開催日:8月の最終水曜日
■参加費用:なし
【9月】オクトーバーフェス(ドイツ)
今や日本国内でもあちらこちらで開催されているオクトーバーフェスですが、こちらはドイツビール本場の一つであるミュンヘンで行われる、世界最大級のビールの祭典!
会場は市内中心部にある「テレージエンヴィーゼ」と呼ばれ、東京ドーム約9個分に相当する広大な敷地で開催されます。
会場内には各醸造所による大小20近くあるビールテントから、バイエルンを代表する「白ソーセージ」などを売っている屋台、観覧車などの遊園地アトラクションまで!
オクトーバーフェスの醍醐味「マス」単位で販売される1リットルのジョッキに注がれた、なみなみのビールは飲みごたえバッチリです。
ソーセージをつまみに大きいジョッキでビールを飲み、世界中から集まったビールファンと一緒に大騒ぎ!人とビールと笑いで溢れるこの大宴会は、ビール好きには堪らないお祭りです。
■開催場所:バイエルン州の州都ミュンヘン(ドイツ)
■開催時期:9月中旬〜10月最初の週末までの2週間程
■参加費用:入場は無料
【10月】熱気球祭り(アメリカ)
1年365日中、310日以上が晴天だという都市アルバカーキの大きい広場で行われる気球のお祭り。9日間の間、700機以上もの気球が早朝から夜まで空一面に上がり、一日中楽しめる世界最大規模のバルーンフェスティバル!
日中はカラフルな気球が空を埋め尽くし、夜暗くなると「バルーン・グロウ」という、気球の中に火をつけライトアップするイベントがあり、暗闇の中に幻想的な風景が広がります。
この昼夜姿を変えて、様々な気球が会場の空一面に浮かぶ様子は圧巻です!また、期間中「スペシャルシェイプ・ロデオ」という日が2日間だけあり、この日は動物や怪獣の形をした気球や、流行したキャラクターやコーラの缶の形をした気球など、ユニークな気球が上がります。
子供にも大人気ですし、毎年その奇想天外な気球を楽しみに訪れる観客もいるお祭りです!
■開催場所:ニューメキシコ州の都市アルバカーキ(アメリカ)
■開催時期:10月の第一土曜日から9日間
■観覧費用:なし
【11月】死者の日(メキシコ)
死者の日はメキシカンによって行われる祝祭で、死者を招いてもてなし、そして送る死者を敬うお祭りです。
日本のお盆と似ていますが嘆き悲しむのではなく、あくまで明るく楽しく死者と共に過ごし、祭りが終われば祈って送り出すのが死者の日の過ごし方。
お祭りはカトリックにおける諸聖人の日である11月1日と翌日2日に行われ、地域によっては10月31日から前夜祭が始まる。死者の日が近づくと街中は頭蓋骨で溢れ、お墓はカラフルに装飾され、人々は骸骨を基調とした仮装を楽しみます。
1日は子供の魂が、2日は大人の魂が戻る日とされているので、1日は子供の死者の為に、2日は大人の死者の為に賑やかなお祭りを繰り広げ、供え物もお菓子等からお酒等に変わっていきます。
見るだけでもいいですが、是非骸骨をイメージした仮装で参加してみて下さい!
■開催場所:メキシコ各地
■開催日:11月1日・2日
■参加費用:なし
【12月】光の祭典(フランス)
世界遺産に登録された旧市街があり、歴史的景観が美しい街リヨンで開催される光の祭典!この世界でもっとも美しい光の祭典として名高いリヨンの夜を体感しに、住人の約6倍の人が世界中からやってくることも……。
期間中は大通りや広場はイルミネーションで輝き、多数の建築物を利用したプロジェクション・マッピングが開催されます。
街全体が一つのテーマに沿って明るく浮かび上がり、大きな壁面全体には音楽と合わせた、光によるアニメーションショーも流されます。
元々は聖母マリアに感謝の光を捧げる為のお祭りですので、今でも12月8日には街の至る所でロウソクの柔らかな光が揺れるのを見ることができる、アートでもあり祈りでもあるお祭りです。
歴史的建造物や遺産の新しい見方も発見できるこのお祭りは、一度行ってみる価値ありです!
■開催場所:リヨン(フランス)
■開催期間:12月8日を含む4日間(毎年変動)
■観覧費用:なし
旅先でお祭りを体験しよう!
世界のお祭りを、暦に沿ってご紹介しましたがいかがでしたか?お祭りはその国や地域の個性が強く出るので、楽しめるだけでなく、その地をより深く知れるのが最大の魅力。
旅をするにあたって、そこで開催されているお祭りに参加するだけで、見える世界は全然違います!世界各国で開催されているお祭りを体感しに、ご旅行先や渡航時期を決めてみてはいかがでしょうか?
観光地をまわるだけでなく、お祭りもスケジュールに組み込んで、是非世界を楽しんでみて下さい!