マンダレーはミャンマーのほぼ中心部にある、旧首都ヤンゴンに次ぐ大都市です。このマンダレーは、ヤンゴンから北東へおよそ715キロほどの場所に位置していて、国内線で1時間半ほどで行くことができます。
ここにはマンダレーヒルをはじめとした多くの遺跡、寺院仏閣があり、観光スポットとして多くの観光客が訪れることで有名です。
ミャンマー最後の王朝コンバウン朝の都であったマンダレー。その最後の王都だった遺跡の中で、日本とは発想の違う建造物に感動したり、現地の人に混じって買い物を楽しんだり……。
日本じゃ味わうことの出来ない、そんな異国なマンダレーに今回は行ってみました。
初めてのマンダレーならコレ!マンダレーの人気定番観光&アクティビティ
マンダレーの街を一望できるマンダレーヒル
ヤンゴンの北東に位置するマンダレー。その更に北東にあるマンダレーヒル。丘全体が寺院で占められているという聖地です。高さ230mの丘の頂上は広いテラスになっていて、中央には仏像が安置されています。
夕日の素晴らしさを堪能!
マンダレー市街地の北東に位置している丘から、街の全体を見渡すことが出来るので、沈み行く夕日の鑑賞には最適です。スタウンピー・パヤーという寺院のテラスから絶景の夕日を堪能することが出来ます。
また、今回は見ることが出来ませんでしたが、登って来る朝日もとても素敵だそうです!
一望できる街並み
マンダレーヒルから見れるものは、夕日だけではありません。マンダレーを一望できるこの丘のテラスからは、碁盤目状に区画されたマンダレーの市街地や、イラワジ川、旧王宮などを目にすることが出来るのです。
その中でもミャンマー最大の川であるエーヤワディー川は、キラキラと光り輝いていてとても綺麗でした。
金色に輝く8mの仏像
マンダレーヒルには多くの寺院や仏塔、仏像がありますが、その中で最も有名なのが「予言を与え給う仏陀」という高さ8mもの仏像です。
その高さだけではなく、金色をしているというのがこの仏像を有名にしている所以かもしれません。チーク材の巨木を彫った上から金箔を貼っているそうです。
どうやって登ろう230m
標高230mのこの丘、自分の足で登ったら1時間くらいはかかるとのこと。今回はミャンマーでお馴染み、バイクタクシーを利用しました。
ミャンマーでは寺院、仏閣の聖域では裸足にならなければならないという決まりがあります。マンダレーヒルは丘全体が寺院なので、700段近くを裸足で登らなければならず、これはちょっと大変だなと思ってしまいました。
名称:マンダレーヒル
住所:Mandalay Hill St, Mandalay
【マンダレー市街地 ~ マンダレーヒル(頂上)】ピックアップバス 1,500チャット($1.5)
【マンダレーヒル(麓)~市街地】バイクタクシー 1,500チャット($1.5)
戦火に焼けた マンダレー王宮
ミャンマー最後の王朝、コンバウン朝の王宮。この旧王宮は、3km四方が幅70mの濠と高さ8mの城壁に囲まれ、東西南北の4本の橋で街と結ばれているという壮絶なもの。その広さを誇る内部には、王宮博物館もあるのです。
歴史を語る最後の王宮
マンダレー王宮を築いたコンバウン朝は、内乱状態にあったミャンマーを統一し、タイのアユタヤ王朝をも破り、ミャンマーの国土を最大にした王朝でもあります。
1857年から4年の歳月を費やして完成させたこの王朝ですが、1885年にビルマを占領したイギリス軍に接収されてしまいます。
1942年にミャンマーに進出した日本軍に占領された後、1945年3月、日本軍と英印軍の戦闘に巻き込まれ焼失しました。その後修復が施され、一部は現在博物館として公開されています。
広い敷地
前述したようにこの王宮、とても広く、また高い城壁に囲まれているのです。それが旧市街地の中央にドンと存在を誇っています。とても広いので、周囲を車で一周するだけでもかなりの時間がかかります。
ですがこの城壁、夜になるとライトアップが施されてとても美しいので、周囲を散策するだけでも楽しいです。周辺だけでなく、入り口から王宮までもかなりの距離があります。
監視塔からの眺め
王宮内には王宮以外にも、王に従事する人の家屋や宝物館、監視塔などがあり、当時の暮らしぶりの片鱗を見ることが出来ます。
殆どの建物は日英の戦いの際に焼けてしまったそうで、現在のものは写真を元に復元したものですが……。螺旋階段を登って行く監視塔からのマンダレーの景色は、一見の価値ありでした。
名称:マンダレー王宮(旧王宮)
住所:Mya Nan San Kyaw Golden Palace, Mandalay
電話番号:+95 9 44800 8459
マンダレー最大のマハムニパコダ
マンダレー最大にして最も重要なパゴダ(仏塔)で、本尊は高さ約4mのマハムニ仏です。この仏像はヤカイン地方から運ばれてきたといわれ、長い年月を掛け人々の手によって金箔が貼られ現在の姿となりました。
本堂の仏像周辺は女人禁制となっています。境内には、カンボジアのアンコールワットから奪ってきたと言われる6体のクメール様式の青銅像を納めたお堂もあります。
マハムニ仏
マハムニパゴダの名前の由来は、本尊であるマハムニ仏から来ています。
このマハム二仏は1784年、コンバウン朝の王がムラウウー王国を征服した際、このムラウウー王国の支配してきたビルマ南西部・ヤカイン(アラカン)地方から持ち去って、ここに招来されたものと言われています。
金箔を貼れます!
高さ4mのこのマハムニ仏は、人々の手で金箔を貼られることによってその姿を保っています。マハムニパゴダでは、その金箔を買って自らの手で貼ることが出来ます。
が、しかし仏像周囲は女人禁制なので、女性の方は貼ることができません。ご本尊の胸部付近には現地の男性や、これまた男性の観光客のみなさんが思い思いに金箔を貼っているのですが、女性の姿はありません。
ミャンマーはモン州にある、ゴールデンロックと言われるチャイティー・ヨー・パゴダでも金箔を貼ることが出来ますが、ここも女性はNGなんです。
アンコールワットから来た青銅像
境内の建物の中には、6体の人間や動物の形をした青銅像が置かれています。
これはアンコールワットからタイのアユタヤ、ビルマのバゴー、ヤカイン地方と戦利品として転々とした後、ヤカイン地方を制したコンバウン朝のボードーパヤー王によってここに移されたと言われてます。
この青銅像、自分の具合の悪いところと同じ場所を撫でると体調が良くなると言われていて、像のあらゆる部分が剥げてピカピカに輝いています。柴又に立っている寅さん像の足の指みたいですね。
名称:マハム二パゴダ
拝観時間:7:00-16:00
カメラ撮影料:$1
定休日:無し
石の経典が眠る クドードォパコダ
1857年にミンドン王によって建立されたクドードォパゴダ。このパゴダには、世界的に大変貴重な仏教の経典が収められています。
仏陀亡き後、時代とともに修正される経典を嘆いていたミンドン王。本来の経典をそのまま残すために、ある秘策を考えつきました。それは大理石の上に直接経典を刻むというもの。その妙案の結晶が、このクドードォパゴダなのです。
石の上に刻まれた経典
変わりゆく経典の行く末を嘆いたミンドン王は、本来の経典をそのまま残すために山から大理石を切り出し、その上に経典を刻むことを思いつきました。
この作業のために2,400人の僧侶と職人を集め、経典を大理石の石板に刻むように命じました。大変困難な作業でしたが、729枚の石板を6ヵ月という期間で完成させることが出来ました。
石板のそれぞれは高さ1.5m、幅1m、暑さ1.5mもあるそうです。そして最後のページに当たる730枚目には、これを作った経緯と費やした時間が刻まれているのです。
この730枚の石板を収めるためにクドードォパゴダ本堂と、その周囲に729の小仏塔を作りました。現在はその一枚づつが、一つの仏塔に収められています。
730の白い仏塔
クドードォパゴダ自体は金色に輝く大きなパゴダですが、周囲を取り囲んでいるのが白い小仏塔。しかもこの白、純白なんです。
ミャンマーでは金色のパゴダや仏様は、人々が金箔を貼ることによってその姿を保っているのですが、この白いパゴダたちもこまめに塗り替えられているのです。純白に輝く白も、ミャンマーの人々の信仰心の表れなのですね。
この小仏塔の中に、世界最大の仏教典が祀られているのですが、白いパゴダ、ミャンマーでは実に珍しいものなんです。確かに市街を歩くと金色ばかりが目に付いたりもするので、クドードォパゴダに立ち寄るのもまた新鮮です。
名称:クドードォパゴダ(Kuthodaw Pagoda)
住所:62nd Street, Mandalay
営業時間・開場時間:5:00 – 19:00
利用料金や入場料:施設による
アートとしても名高い シュエナンドー僧院
マンダレーヒルの南東麓に位置するこのシュエナンドー僧院。1880年にコンバウン朝の当時の王、ティーボ王が旧王宮内にあった父ミンドン王が過ごした建物を同地に移築し、瞑想の場としたものです。
チーク材で作られており、外壁、内部ともに精緻な木彫が施されています。コンバウン朝時代の歴史的な木造建築として、ミャンマーの中でも最大級のアートとも言われています。
歴史を感じる木造建築
この僧院は、これまで見て来たパゴダやパヤーに比べて、そこまで大きくないという印象です。ですがここには、遥か昔の王朝時代が確かにあった時の流れが見えます。
最後の王朝コンバウン朝の王であるミンドン王が亡くなられたとされていて、ミンドン王の他、第一夫人も足を運んだとされるこの場所。
マンダレーの王宮が完成する前に仮住まいしていたとされる建物で、その後僧院として寄進され、のちの王ティーボが現在の場所に移転させたとされています。
かつての王宮は金色に輝いていたそうですが、現在は古色蒼然として見る影もありません。ですがそれこそが、長い年月を経た証なのだと納得してしまう迫力があります。
ミャンマーの寺院、僧院はみな金色に輝いているものが多く、とても素晴らしいのですが、見慣れてしまうと食傷気味になってしまったりもするので、この僧院は立ち寄るべき場所のひとつではないでしょうか。
素晴らしい彫刻
シュエナンドー僧院の柱や外壁、内装にはチーク材に施した数々の彫刻が見られます。この彫刻の細工が、細やかでとても美しいのです。
どれだけの時間を要したのだろうと思ってしまうほど、その仕上がりは緻密で丁寧です。あまりの精緻さに、思わず息を飲むくらい。
この僧院の重厚で荘厳な雰囲気は、この彫刻が醸し出しているのかもしれません。素晴らしい彫刻の上に、以前は貼られていた金箔の名残を思い浮かべて見るのもいいですね。
施設名:シュエナンドー僧院
英名:Shwenandaw Monestery
住所:63rd St, Mandalay
営業時間:7:30 – 17:00
休業日:なし
ミャンマー最後の王都へ
今回はミャンマー第2の都市、マンダレーをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。ミャンマー最後の王都となったマンダレー、その至るところに王朝時代の面影が見られ感動も覚えました。
その広さだけでもみる価値のあるパゴダや王宮、遥か昔を思わせる僧院など、長い時の流れと日本では味わえない広大さを体感しに、足を運んで見るのもいいですね。